二の丸利活用施設 弘前城情報館

弘前城は小ぶりながら、城郭の構造がほぼ幕末期の姿で残っている、国内でも稀な史跡である。ところが明治以降、場内にはいろんな施設が建てられ、草木が植えられたため、現在幕末期の姿に戻す動きがあり、文化庁指導の元、整備事業が進められている。
今回の弘前城情報館は、二の丸エリアに存在した馬場の復元整備を主な目的とする工事であるが、先ずは予てから要望の多かった案内所建築を進めることとなり、建物が完成した。
現在は馬場を復元するための修景工事が進められている。
弘前城情報館には、案内所と公衆便所の機能があり、公衆便所は24時間解放されている。
案内所には場内を案内する担当者が常駐し、さらに弘前藩の歴史を映像技術で伝える展示機能を有している。より多くの若い世代に興味を持っていただける様仕向けたもので、将来にわたり弘前城の歴史が伝承されることを願っている。
建物は在来工法とし、軸組である柱と水平方向の架けられた梁でシンプルな構成とした。
史跡上に建つ建築の設計業務では常らしいが、基礎の形状・プランの工夫・デザインや色使いの難しさを痛感し、勉強させていただいた。
また場内では天守の石垣補修工事が進められていて、こちらは天守の曳家が話題となり、TVニュースでも放映されるほどであった。

構造:木造平家建て
延べ床面積:327.92m2
完成:2018年3月